「社会生活基本調査の対象になりました」と案内が届いても、初めて聞く調査なら「何の調査?」「回答しないといけないの?」と戸惑う方もいるでしょう。
2026年(令和8年)の社会生活基本調査は、10月20日を基準日として実施された国の基幹統計調査です。10月30日現在、調査票の回収時期に入っています。
全国約8,000調査区から選ばれた約9万5千世帯に住む、10歳以上の約19万4千人が対象となります。
社会生活基本調査は、希望者だけが参加する一般的な任意アンケートとは異なります。
統計法に基づく「基幹統計調査」で、調査対象となり報告を求められた方には報告義務があります。
この記事では、社会生活基本調査に回答しないとどうなるのかを最初に説明したうえで、報告義務と罰則、対象者の選び方、回答方法、期限を過ぎそうな場合の対応、個人情報の扱いを紹介します。
あわせて、前回2021年の調査で分かったことや、結果がどのように政策へ利用されているのかも紹介します。
- 2026年調査の基準日は10月20日、調査票の回収は10月下旬~11月上旬
- 全国約9万5千世帯、10歳以上約19万4千人が対象
- 基幹統計調査のため報告義務がある
- 報告拒否や虚偽報告には統計法上の罰則規定がある
- 生活時間を記録するのは指定された連続2日間
- インターネット回答の手順と、提出が遅れそうな場合の対応
- 個人情報は統計法によって保護される
- 結果は2027年9月から順次公表される予定
社会生活基本調査2026は回答しないとどうなる?
社会生活基本調査は、回答するかどうかを自由に選べる一般的なアンケートではありません。
統計法に基づく基幹統計調査として実施されるため、調査対象となり報告を求められた方には報告義務があります。
回答は任意ではなく報告義務がある
統計法第13条では、基幹統計調査の報告を求めることができ、報告を求められた人はこれを拒んだり、虚偽の報告をしたりしてはならないと定められています。
この義務は、調査票が届いた人が全員一律に罰せられるという意味ではなく、法令に基づく報告を誠実に行うためのものです。
総務省統計局も、2026年の社会生活基本調査には「回答する義務(報告義務)がある」と案内しています。
そのため、対象になった場合は調査票をそのまま放置せず、案内に沿って回答することが大切です。
報告拒否や虚偽報告には50万円以下の罰金規定
統計法第61条では、基幹統計調査の報告を拒んだり、虚偽の報告をしたりした場合について、50万円以下の罰金とする規定があります。
ただし、期限を少し過ぎただけで自動的に50万円の罰金が科されるという仕組みではありません。
法律が罰則の対象として定めているのは、基幹統計調査の報告を拒むことや、虚偽の報告をすることです。
記入方法が分からない場合や回答が遅れそうな場合は、調査書類に記載された連絡先や自治体の統計担当窓口に相談してください。
なぜ自分の家が対象になった?対象者の選ばれ方

社会生活基本調査は、日本に住むすべての人を調べる全数調査ではありません。
統計的な方法で一部の地域と世帯を選び、その回答から日本全体の生活実態を推計する「標本調査」です。
全国約8,000調査区から約9万5千世帯を抽出
2026年調査では、全国約8,000調査区から約9万5千世帯が選ばれ、その世帯に住む10歳以上の約19万4千人が調査対象になります。
特定の職業や所得、家族構成を理由に個人を選んでいるわけではありません。
まず調査区を選び、その後、調査区内の世帯から対象世帯を抽出する方法が使われています。
抽出された調査区では世帯一覧を作成し、原則として12世帯を抽出します。
対象に選ばれる確率は?一律の抽選ではない
対象となるのは全国の約9万5千世帯ですが、全国の人を一人ずつ同じ条件で抽選しているわけではありません。
まず地域に相当する「調査区」を選び、その中から世帯を抽出する2段階の方法が使われています。
したがって、単純な人口比から「自分が選ばれる確率は何分の1」と正確に言い切ることはできません。
調査票が届いたのは、個人の収入や暮らしぶりを調べて狙い撃ちされたからではなく、統計的な抽出の結果です。
社会生活基本調査では何を回答する?
社会生活基本調査では、仕事や世帯の状況だけでなく、家事、育児、睡眠、スポーツ、趣味、旅行など、日常生活について幅広く回答します。
年齢・仕事・収入のほか、余暇の活動も回答する
2026年調査では、氏名、年齢、教育、健康状態、就業状況などが調査項目に含まれます。氏名は記入漏れの確認などに使われ、統計の集計には使用されません。
調査票Aでは、過去1年間の学習・自己啓発・訓練、ボランティア活動、スポーツ、趣味・娯楽、旅行・行楽なども尋ねられます。調査票Bは、生活時間をより詳しく把握するための形式です。
15歳以上については、勤務形態、年次有給休暇の取得日数、仕事の種類、就業時間、仕事からの年間収入なども調査事項に含まれています。
世帯については、世帯の年間収入や世帯員数などを回答します。
生活時間は指定された連続2日間を記録
社会生活基本調査の大きな特徴が、1日の生活時間を調べることです。
生活時間について回答するのは、10月17日から25日までの9日間のうち、調査区ごとに指定された連続2日間です。
何週間も毎日の生活を記録する調査ではありません。
調査票Aでは、睡眠、仕事、家事、育児、買い物、趣味・娯楽など20種類の行動に分け、15分単位で生活時間を記録します。
調査票Bは、行動を決められた20種類から選ぶ方式ではなく、日記のように具体的な行動を記入する方式です。実際に配られた調査票A・Bのどちらかに従って回答します。
社会生活基本調査2026の回答方法は?
2026年の社会生活基本調査は、インターネットまたは紙の調査票で回答できます。
スマホやパソコンから24時間回答できる
総務省統計局は、インターネット回答について、24時間いつでも都合のよい時間に回答できると案内しています。
スマートフォンやパソコンから回答できるため、日中に時間を取りにくい方でも利用できます。
紙で回答する場合は、調査員が回収に訪問する際に記入済みの調査票を渡します。
調査票A・Bの違いと生活時間の記入方法

生活時間の記入対象は、調査区ごとに指定された連続2日間です。調査票Aでは行動を20種類に分類して15分単位で記入し、調査票Bでは行動を日記形式で詳しく記入します。
曜日による生活の違いを調べるため、調査区は複数のグループに分けられ、それぞれ異なる2日間が指定されます。
対象の2日間は2026年10月17日~25日の間に設定されています。すでに日付が過ぎていても、案内された期限内に指定日の行動を振り返って記入します。分からない項目があれば推測で埋めず、記入のしかたや問い合わせ窓口を確認してください。
インターネット回答の始め方と送信確認
対象世帯に配られた「インターネット回答ログイン情報」のQRコードを読み取るか、案内に記載された方法で政府統計オンライン調査総合窓口にアクセスします。初回ログイン後はパスワード変更などの案内に従って回答を入力し、最後に「回答送信」まで行ってください。
回答できたか心配なときは、同じ窓口にログインし直し、調査票一覧の状況が「回答済」になっているか確認できます。総務省統計局の公式Q&Aにも確認方法が掲載されています。
回答が遅れた・書類をなくした場合はどうする?
2026年10月30日現在は、調査票の回収時期です。調査員の活動予定は10月下旬~11月上旬と案内されていますが、すべての世帯の回答期限が一律に11月上旬という意味ではありません。まず手元の調査書類で期限を確認してください。
期限を過ぎた場合や書類をなくした場合、インターネット回答ができない場合は、調査員または都道府県・市区町村の統計担当窓口に相談しましょう。新たに決められた期限や手続きがあるかは、個別の案内に従ってください。
社会生活基本調査2026の対象者とスケジュール
2026年社会生活基本調査の基本情報をまとめると、次のようになります。
| 項目 | 2026年社会生活基本調査 |
|---|---|
| 調査基準日 | 2026年10月20日 |
| 実施回数 | 開始50周年・第11回 |
| 調査地域 | 全国約8,000調査区 |
| 対象世帯 | 約9万5千世帯 |
| 対象者 | 原則として対象世帯の10歳以上の世帯員 |
| 対象人数 | 約19万4千人 |
| 生活時間 | 10月17日~25日のうち指定された連続2日間 |
| 回答方法 | インターネット、調査員等への調査票提出 |
| 結果公表 | 2027年9月から順次予定 |
10歳以上なら子どもも調査対象になる
対象世帯では、原則として10歳以上の世帯員が調査対象になります。
そのため、小学生でも10歳以上なら対象になる場合があります。
「世帯主だけが答えればよい」という調査ではありません。
10歳未満の世帯員についても、年齢や在学・在園状況、ふだん世帯員以外の人から育児の手助けを受けているかなどを世帯側が回答する項目があります。
調査書類は10月上旬から中旬に配布
総務省統計局によると、調査員などが10月上旬から中旬に対象世帯へ調査書類を配布します。
調査員による調査票の回収は、10月下旬から11月上旬にかけて行われる予定です。回収予定期間と個別の回答期限は同じとは限らないため、手元の書類の案内を確認してください。
マンションなどでは、調査関係書類が郵便受けへ投函される場合もあります。
個人情報や収入まで答えて大丈夫?
社会生活基本調査では、仕事からの年間収入や世帯の年間収入なども調査事項に含まれています。
収入や家族の情報まで答えることに不安を感じる方もいるでしょう。
調査内容は統計法で保護される
社会生活基本調査は統計法に基づいて実施され、調査関係者には秘密を守る義務があります。
調査で知った内容を他人へ漏らしたり、統計作成の目的以外に利用したりすることは法律で禁止されています。
回答内容は統計の作成・分析のために取り扱われます。法律により保護される一方、利用者自身も不審な連絡先へ回答を送らないよう注意しましょう。
社会生活基本調査を装った「かたり調査」に注意
一方、社会生活基本調査を装った不審な訪問、電話、メール、ウェブサイトには注意が必要です。
正規の調査員は、都道府県知事が発行した「調査員証」を携帯しています。
総務省統計局によると、正規の社会生活基本調査で金銭を要求することはありません。また、メールで調査への回答を直接依頼することもありません。
電話で新たに回答そのものを求められた場合も慎重に対応してください。提出済みの内容について確認の電話をする場合はありますが、電話だけで回答を依頼することはないと総務省は説明しています。不審なときは相手が示した番号ではなく、自治体の公式窓口で確認しましょう。
前回2021年の調査から何が分かった?
社会生活基本調査の結果を見ると、普段の生活について回答する意味が分かりやすくなります。
前回2021年調査では、全国約9万1千世帯の10歳以上約19万人が調査対象となりました。次の数字は、2026年調査の結果ではなく、2021年の公表値です。
6歳未満の子どもがいる世帯では家事関連時間に男女差
分かりやすい例の一つが、6歳未満の子どもがいる夫婦の家事関連時間です。
6歳未満の子どもを持つ「夫婦と子どもの世帯」の週全体平均を、1日当たりで見ると、2021年は次の結果でした。
夫:1時間54分
妻:7時間28分
2001年は夫48分、妻7時間41分でした。
20年間で夫の家事関連時間は長くなりましたが、2021年時点でも夫婦の間には大きな差がありました。
ここでいう家事関連時間には、「家事」「介護・看護」「育児」「買い物」が含まれます。
総務省統計局|2021年調査の家事関連時間(統計調査ニュースNo.432・2ページ)
社会生活基本調査の結果は何に使われる?

社会生活基本調査の結果は、集計されて終わるものではありません。
国や地方公共団体の施策を検討する際の基礎資料や、さまざまな指標として利用されています。
こども政策や男女共同参画の参考指標に使われる
総務省統計局によると、社会生活基本調査の結果は「こども大綱」や「第6次男女共同参画基本計画」などの参考指標として利用されています。
家事や育児に使う時間を男女別に調べることで、家庭内での役割や生活時間の実態を数字で確認できます。
ただし、社会生活基本調査だけを根拠に政策が決まるわけではありません。
さまざまな統計や調査と組み合わせて、政策を検討するための資料として使われています。
SDGsやスポーツ・文化振興にも利用
調査結果は、持続可能な開発目標(SDGs)の関連指標にも利用されています。
このほか、ボランティア活動の推進やスポーツ・文化振興など、幅広い行政施策の基礎資料になります。
2026年調査の結果はいつ公表される?
2026年の社会生活基本調査は、調査が終わってすぐに結果が発表されるわけではありません。
総務省統計局は、2027年9月から順次公表する予定としています。
集計後は、総務省統計局のホームページや政府統計の総合窓口「e-Stat」などで利用できるようになります。
2026年の調査結果が公表されれば、2021年から5年間で家事や育児、仕事、睡眠、趣味、スポーツなどの生活時間がどのように変わったのかも確認できるようになります。
社会生活基本調査2026で迷いやすい疑問
回答しないとすぐ50万円の罰金になる?
統計法第61条には、基幹統計調査の報告拒否や虚偽報告に対する50万円以下の罰金規定があります。
ただし、「期限を少し過ぎただけで自動的に50万円」という規定ではありません。
対象になった場合は、調査を放置せず、分からないことがあれば案内された窓口へ確認してください。
なぜ自分の家が選ばれた?
全国から統計的な方法で調査区と世帯を段階的に抽出しているためです。
所得や職業、子どもの有無などを理由に、特定の個人を狙って選んでいるわけではありません。
ずっと生活時間を記録するの?
いいえ。生活時間について回答するのは、10月17日から25日のうち指定された連続2日間です。
スマホやパソコンから回答できる?
インターネット回答を利用できます。
スマートフォンやパソコンで回答できます。24時間利用できる仕組みですが、実際の提出は案内された回答期限に従ってください。
回答期限を過ぎたら、もう提出できない?
調査員による回収予定は10月下旬~11月上旬ですが、それだけで一律の回答期限は判断できません。手元の書類で確認し、遅れている場合は調査員や自治体の担当窓口へ相談してください。自動的に罰金が決まるわけではありません。
メールで回答依頼が来たら本物?
総務省統計局は、社会生活基本調査の回答をメールで依頼しないと説明しています。不審なメールのリンクは開かず、必要なら自治体の公式窓口に確認してください。
結果はいつ分かる?
2026年調査の結果は、2027年9月から総務省統計局のホームページなどで順次公表される予定です。
まとめ
2026年の第11回社会生活基本調査は、10月20日を基準日として実施されました。
全国約9万5千世帯に住む、10歳以上約19万4千人が対象です。
社会生活基本調査は一般的な任意アンケートではなく、統計法に基づく基幹統計調査です。
調査対象となり報告を求められた場合には報告義務があり、報告拒否や虚偽報告については50万円以下の罰金規定があります。
一方、生活時間について記録するのは1年間ではなく、指定された連続2日間です。
インターネット回答では、スマートフォンやパソコンを利用できます。回答の送信と期限の確認を忘れないようにしましょう。
回答された内容は統計法によって保護され、集計された結果はこども政策、男女共同参画、SDGs、スポーツ・文化振興などの基礎資料として利用されます。
2026年調査の結果は、2027年9月から順次公表される予定です。
対象になった方は、まず調査書類に記載された期限と回答方法を確認してください。2026年10月30日現在は回収期間に当たるため、未回答の場合は案内先に相談しながら対応しましょう。
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