今年も半年が過ぎ、気がつけば6月も終わりに近づいてきました。
この時期、日本の神社では「夏越の祓（なごしのはらえ）」という神事が行われます。
- 「夏越の祓って何？」
- 「どんな意味があるの？」
- 「どこで体験できるの？」
と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
夏越の祓は、半年間の厄や穢れを払い、残り半年の無病息災を願う日本古来の行事です。
神社では「茅の輪くぐり」や「人形流し」などの儀式が行われ、多くの人が参加します。
また、京都を中心に「水無月」という和菓子を食べる風習もあります。
本記事では、夏越の祓の由来や作法、全国のおすすめ神社、そして夏越の祓にまつわる食文化まで詳しく解説します。
今年こそ、夏越の祓を体験して、健やかな半年を過ごしましょう！
夏越の祓（なごしのはらえ）とは？
- 夏越の祓（なごしのはらえ）は、6月30日に行われる日本の伝統的な神事です。
- 目的は、半年間の罪や穢れを祓い、残りの半年の無病息災を祈願することです。
- 全国の神社で執り行われ、特に京都の神社では大規模に行われます。
主要な儀式
1. 茅の輪くぐり（ちのわくぐり）
- 茅（ちがや）で作られた大きな輪をくぐり、心身を清める。
- 作法：
- 左回りにくぐる
- 右回りにくぐる
- 再び左回りにくぐる
- そのまま神前で参拝する
2. 人形流し（ひとがたながし）
- 紙で作られた人形に自分の名前や年齢を書き、体をなでたり息を吹きかける。
- それを川に流したり、神社でお焚き上げすることで穢れを祓う。
3. 和菓子「水無月（みなづき）」を食べる
- 三角形のういろうに小豆をのせた和菓子で、厄除けの意味がある。
- 三角形は「氷」を表し、小豆は「魔除け」の力を持つとされる。
夏越の祓の由来
- 日本神話が起源とされる。
- 神話では、旅人のスサノオノミコト（須佐之男命）が宿を求めた際、蘇民将来（そみんしょうらい）という人物がもてなした。
- その恩返しとして、スサノオは「茅の輪を腰につけていれば疫病から守られる」と教えた。
- これが、現在の「茅の輪くぐり」の起源とされている。
京都の主要な神社での夏越の祓
- 北野天満宮（京都最大級の茅の輪あり）
- 車折神社（1か月間くぐれる）
- 上賀茂神社（大祓式が夜に開催）
- 貴船神社（貴船川での人形流し）
まとめ
- 半年の罪や穢れを祓い、残り半年の健康を祈る神事。
- 茅の輪くぐりや人形流しを行い、清める。
- 「水無月」という和菓子を食べる風習も。
- 神社ごとに特色があり、京都では特に盛大に行われる。
6月の終わりにリフレッシュして、新しい気持ちで後半を迎えるための大切な行事ですね！
夏越の祓の主な儀式
夏越の祓（なごしのはらえ）では、半年間の罪や穢れを祓い、残りの半年の無病息災を祈るための儀式が行われます。
以下に、代表的な儀式を紹介します。
茅の輪くぐり（ちのわくぐり）
目的
- 茅（ちがや）で作られた大きな輪をくぐることで、厄を落とし、身を清める。
作法
- 茅の輪の前で一礼する。
- 左回りでくぐり、元の位置に戻る。
- 右回りでくぐり、元の位置に戻る。
- 再び左回りでくぐり、元の位置に戻る。
- そのまま神前に進み、参拝する。
由来
- 日本神話に登場する**須佐之男命（スサノオノミコト）**が、蘇民将来（そみんしょうらい）という人物に伝えた「茅の輪を身につけると疫病から守られる」という故事が元になっている。
人形流し（ひとがたながし）
目的
- 紙で作られた「人形（ひとがた）」に自身の罪や穢れを移し、川や海に流すことで浄化する。
やり方
- 人形に自分の名前や年齢を記入する。
- 体の悪い部分を人形でなでる。
- 三度、息を吹きかけて穢れを移す。
- 川や海に流す、または神社でお焚き上げをしてもらう。
特徴
- 人形には、自分の罪や厄を代わりに背負ってもらう意味がある。
- 神社によっては、川に流さずに「お焚き上げ」として焼くこともある。
大祓詞（おおはらえのことば）の奏上
目的
- 神職が「大祓詞（おおはらえのことば）」を唱え、人々の罪や穢れを祓う。
内容
- 「天つ罪」や「国つ罪」といった、日常生活で知らず知らずのうちに犯した罪や穢れを清める言葉が含まれている。
特徴
- 大祓詞は、古代から伝わる日本最古の祓詞のひとつ。
- 参列者は静かに耳を傾け、自らも心を清める。
夏越の祓の和菓子「水無月（みなづき）」を食べる
目的
- 無病息災を願い、伝統的な和菓子を食べる。
特徴
- 三角形の外郎（ういろう）生地に、小豆をのせたお菓子。
- 三角形は「氷」を表し、暑気払いの意味がある。
- 小豆は「魔除け」の力があるとされる。
京都などでは特にこの習慣が定着しており、6月になると和菓子店に水無月が並ぶ。
神社によっては特別な神事も
例：
- 北野天満宮（京都）：直径5メートルの「大茅の輪」が設置される。
- 貴船神社（京都）：貴船川での人形流しが行われる。
- 上賀茂神社（京都）：夜に篝火を焚きながらの神事が行われる。
まとめ
- 茅の輪くぐり：茅の輪をくぐって厄を祓う。
- 人形流し：人形に罪や穢れを移し、川や火で清める。
- 大祓詞の奏上：神職が祓詞を唱え、人々の罪や穢れを祓う。
- 水無月を食べる：無病息災を願い、伝統の和菓子をいただく。
このように、夏越の祓は日本の伝統的な神事として、全国各地で行われています。
半年間の穢れを祓い、清々しい気持ちで後半の半年を迎える大切な行事です。
全国の「夏越の祓」が体験できる神社一覧
全国の神社で行われる「夏越の祓（なごしのはらえ）」の中でも、特に有名な神社を紹介します。
それぞれ特色があり、京都をはじめ全国各地で伝統的な儀式が体験できます。
【北海道・東北地方】
1. 北海道神宮（北海道札幌市）
- 特徴：北海道最大級の神社で、6月30日に「夏越の大祓」が行われる。
- アクセス：地下鉄東西線「円山公園駅」から徒歩約10分。
2. 鹿島神宮（茨城県鹿嶋市）
- 特徴：日本三大楼門の一つを持つ神宮。茅の輪くぐりと大祓式が行われる。
- アクセス：JR鹿島線「鹿島神宮駅」から徒歩約10分。
【関東地方】
3. 明治神宮（東京都渋谷区）
- 特徴：東京の中心で厳かに行われる大祓式。人形流しも体験可能。
- アクセス：JR山手線「原宿駅」から徒歩5分。
4. 神田明神（東京都千代田区）
- 特徴：商売繁盛の神様として知られ、夏越の祓でも多くの参拝者が訪れる。
- アクセス：JR「御茶ノ水駅」から徒歩約5分。
5. 東京大神宮（東京都千代田区）
- 特徴：縁結びの神社として有名。茅の輪くぐりが設置される。
- アクセス：JR中央線・総武線「飯田橋駅」から徒歩約5分。
6. 鶴岡八幡宮（神奈川県鎌倉市）
- 特徴：鎌倉の名所で、伝統的な大祓式が行われる。
- アクセス：JR横須賀線「鎌倉駅」から徒歩約10分。
【中部地方】
7. 熱田神宮（愛知県名古屋市）
- 特徴：三種の神器の一つ「草薙剣」を祀る神社。荘厳な夏越の祓が行われる。
- アクセス：名鉄「神宮前駅」から徒歩約5分。
8. 伊勢神宮（三重県伊勢市）
- 特徴：日本最高位の神社で、格式高い夏越の祓が行われる。
- アクセス：近鉄「五十鈴川駅」から徒歩約15分。
【関西地方】
9. 北野天満宮（京都府京都市）
- 特徴：京都最大級の「大茅の輪」が設置される。6月25日の「御誕辰祭」とも関連。
- アクセス：市バス「北野天満宮前」バス停すぐ。
10. 上賀茂神社（京都府京都市）
- 特徴：世界遺産であり、歴史ある大祓式が執り行われる。
- アクセス：市バス「上賀茂神社前」バス停すぐ。
11. 貴船神社（京都府京都市）
- 特徴：貴船川での「人形流し」が特徴的。縁結びの神様としても有名。
- アクセス：叡山電鉄「貴船口駅」から徒歩約30分。
12. 住吉大社（大阪府大阪市）
- 特徴：大阪の代表的な神社で、茅の輪くぐりが行われる。
- アクセス：南海本線「住吉大社駅」から徒歩すぐ。
【中国・四国地方】
13. 出雲大社（島根県出雲市）
- 特徴：縁結びの神様として知られ、特別な大祓式が行われる。
- アクセス：一畑電鉄「出雲大社前駅」から徒歩すぐ。
14. 石清水八幡宮（京都府八幡市）
- 特徴：京都府南部の重要な神社。茅の輪くぐりの儀式が行われる。
- アクセス：京阪本線「石清水八幡宮駅」から徒歩約5分。
【九州・沖縄地方】
15. 太宰府天満宮（福岡県太宰府市）
- 特徴：学問の神様として有名で、格式高い夏越の祓が執り行われる。
- アクセス：西鉄「太宰府駅」から徒歩約5分。
16. 宮地嶽神社（福岡県福津市）
- 特徴：茅の輪くぐりと大祓式が有名で、商売繁盛の神様としても人気。
- アクセス：JR「福間駅」から車で約10分。
まとめ
全国各地で「夏越の祓」が体験できる神社は多く、それぞれに特色があります。
特に京都や東京の神社では、荘厳な儀式や茅の輪くぐりが大規模に行われます。
6月30日に訪れて、半年の厄を祓い、清々しい気持ちで残りの半年を迎えましょう！
夏越の祓と食文化
夏越の祓（なごしのはらえ）は、6月30日に行われる神事で、半年間の罪や穢れを祓い、無病息災を願う行事です。
この行事に関連して、各地で特定の食べ物を食べる風習があります。
特に京都を中心に、「水無月」などの伝統的な食文化が根付いています。
夏越の祓と「水無月（みなづき）」
水無月とは？
- 白いういろう（外郎）生地の上に、小豆を散らした和菓子。
- 三角形に切られており、「氷」を象徴するとされる。
- 小豆には魔除けの意味がある。
なぜ水無月を食べるのか？
- 平安時代、貴族は6月1日に宮中で氷を食べて暑気払いをしていた。
- 一般庶民は氷を手に入れることが難しかったため、「氷」に見立てた水無月を食べるようになった。
- **「水無月を食べると夏を無事に過ごせる」**と信じられている。
どこで食べられる？
- 京都の和菓子店では、6月になると水無月が店頭に並ぶ。
- 特に夏越の祓当日には、多くの人が水無月を買い求める。
夏越の祓と「夏越ごはん」
夏越ごはんとは？
- 雑穀ごはんの上に、丸いかき揚げをのせた丼料理。
- かき揚げには、旬の夏野菜（オクラ、ナス、ズッキーニなど）が使われる。
- 丸い形のかき揚げは「茅の輪」を表しているとされる。
夏越ごはんの由来
- 近年（2015年頃）、米穀安定供給確保支援機構が考案した新しい行事食。
- 「夏越の祓の日に、体に良い雑穀と夏野菜を食べる」という健康的な習慣を広めるために作られた。
食べ方の特徴
- だし醤油やおろしポン酢をかけてさっぱりといただく。
- 夏バテ防止のため、栄養バランスの良い食材を使う。
地域ごとの夏越の祓の食文化
（1）関西地方（特に京都）
- 水無月（和菓子）を食べる風習が根付いている。
- 夏越し豆腐（豆腐料理を食べる風習）も一部の地域で見られる。
（2）四国地方
- うどんを食べる習慣がある地域も。
- 「うどんで夏の暑さを乗り切る」という意味が込められている。
（3）九州地方
- チマキや粽（ちまき）を食べる地域も。
- 餅を食べることで力をつけ、夏を乗り越えるとされる。
夏越の祓に関連する飲み物
麦茶
- 夏の暑さを和らげるために飲まれる。
- ノンカフェインで水分補給に適している。
甘酒
- 「飲む点滴」とも言われ、栄養価が高い。
- 夏バテ防止のため、江戸時代から飲まれていた。
まとめ
- 夏越の祓では、食を通じて暑気払いを行う文化が根付いている。
- 代表的な食べ物は「水無月」（京都を中心に食べられる）。
- 「夏越ごはん」（雑穀米＋かき揚げ）は、近年広まった新しい行事食。
- 地域によって、うどん・豆腐・粽などの風習もある。
- 麦茶や甘酒などの飲み物も、夏越の祓と関連がある。
このように、夏越の祓は「厄を祓うだけでなく、食を通じて夏を健康に過ごすための知恵」が詰まった行事といえます。
6月30日には、ぜひ伝統の食文化を楽しんでみてはいかがでしょうか？
夏越の祓の作法と参加のポイント
夏越の祓（なごしのはらえ）は、6月30日に全国の神社で行われる神事で、半年間の穢れを祓い、残りの半年の無病息災を願うものです。
実際に神社に行って参加する際の作法やポイントを紹介します。
夏越の祓の主な作法
夏越の祓では、「茅の輪くぐり」や「人形流し」などの儀式が行われます。
それぞれの作法を正しく理解し、参加しましょう。
(1) 茅の輪くぐりの作法
茅（ちがや）で作られた大きな輪をくぐり、穢れを祓う儀式です。
茅の輪くぐりの流れ
- 茅の輪の前で一礼する
- 左回りでくぐり、元の位置に戻る
- 右回りでくぐり、元の位置に戻る
- 再び左回りでくぐり、元の位置に戻る
- 神前に進んで参拝する
※「水無月の夏越の祓する人は千歳の命のぶというなり」と唱えながらくぐるとより正式な形になります。
【ポイント】
- 八の字を描くように3回くぐることで、穢れをしっかり祓う。
- 最後は神社の本殿に向かってお参りする。
- 茅の輪をくぐる際は、落ち着いて丁寧に行う。
(2) 人形流しの作法
紙でできた「人形（ひとがた）」に、自分の罪や穢れを移し、川や海に流す儀式です。
人形流しの流れ
- 神社で「人形」を受け取る（神社によっては無料・有料の場合あり）。
- 自分の名前・年齢を書く。
- 体の気になる部分を人形でなでる。
- 三度、息を吹きかけて穢れを移す。
- 神社の指定の場所に納める（川に流す、お焚き上げするなど）。
【ポイント】
- 「人形」は自分の身代わりなので、丁寧に扱う。
- 神社の指示に従い、川に流すか、お焚き上げする。
- 参加費（初穂料）を納める場合があるので事前に確認。
(3) 大祓詞（おおはらえのことば）の奏上
神職が「大祓詞（おおはらえのことば）」を唱え、参加者の罪や穢れを祓います。
- 参列者は、静かに聴いて心を落ち着かせる。
- 自分自身も「清められる」と意識することが大切。
参加のポイント
(1) 服装のマナー
- 神事に参加するため、清潔で控えめな服装を心がける。
- 神社によっては帽子を取ることが求められる場合も。
(2) 事前の確認
- 神社の開催時間や方法をチェック（事前予約が必要な場合もある）。
- 初穂料（参加費）が必要かどうかを確認。
- 茅の輪が設置される期間は神社によって異なる（6月30日限定でない場合も）。
(3) 参拝の基本マナー
- 手水舎で手と口を清めてから参加する。
- 参拝時は「二礼二拍手一礼」の作法を守る。
- 神事中は静かにし、携帯電話はマナーモードに。
(4) 体験後の過ごし方
- 神事の後に、「水無月」などの伝統的な食べ物をいただくとより季節感を楽しめる。
- 家族で「夏越ごはん」を作ってみるのもおすすめ。
まとめ
夏越の祓の作法
✅ 茅の輪くぐり：左→右→左の順で八の字を描いてくぐる。
✅ 人形流し：名前と年齢を書き、体をなでて穢れを移し、神社の方法に従って納める。
✅ 大祓詞の奏上：静かに聴き、心を清める。
参加のポイント
🔹 清潔な服装で参加する。
🔹 事前に神社の開催情報を確認する。
🔹 参拝のマナーを守る。
🔹 夏越の祓の食文化（例：水無月）も楽しむ。
このように、夏越の祓は日本の伝統的な行事であり、正しい作法で参加することで、より深くその意味を感じることができます。
6月30日には、ぜひ神社を訪れてみましょう！
まとめ
夏越の祓は、日本の伝統的な神事のひとつで、半年の厄を祓い、残りの半年の無病息災を願う行事です。
「茅の輪くぐり」や「人形流し」といった儀式を通して、心身を清めることができます。
また、京都では「水無月」という和菓子を食べる風習があり、新たに「夏越ごはん」も広まりつつあります。
全国の神社で行われるこの神事は、誰でも参加可能です。
気になる神社を見つけて、ぜひ今年は体験してみてください！
2025年の夏越の祓は、6月30日（月）に開催されます。
早めに情報をチェックし、神社に足を運んでみましょう！
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