「8月から古い健康保険証が使えなくなる」「マイナ保険証がなければ病院で10割負担になる」と聞き、不安を感じている人も多いのではないでしょうか。
期限切れとなった従来の健康保険証を持参しても、医療機関側で保険資格を確認できれば通常の1~3割負担で受診できる暫定措置が設けられていました。
しかし、この取り扱いは2026年7月31日で終了します。2026年8月1日以降は、原則としてマイナ保険証または資格確認書を提示する必要があります。
ただし、マイナ保険証の読み取りエラーが起きただけで、直ちに10割負担になるわけではありません。
マイナポータルの資格情報画面や資格情報のお知らせ、被保険者資格申立書などを使って資格を確認できる場合があります。
この記事では、暫定措置終了後に使える書類、10割負担を避ける準備、カードリーダーで読み取れない場合の対処法を分かりやすく解説します。
マイナ保険証の暫定措置は2026年7月31日で終了する
最初に押さえておきたい結論は、2026年8月1日以降、期限切れの従来型健康保険証だけでは、原則として通常の自己負担割合で受診できなくなるという点です。
従来の健康保険証は2025年12月1日までに有効期限を迎えましたが、制度移行時の混乱を防ぐため、期限切れに気付かず持参した場合でも保険資格を確認できれば、通常の1~3割負担で受診できる暫定的な取り扱いが続けられていました。
この対応が2026年7月31日で終了します。
変更時期を時系列で確認
| 時期 | 健康保険証の扱い |
|---|---|
| 2024年12月2日 | 従来の健康保険証の新規発行が終了 |
| 2025年12月1日まで | 発行済み健康保険証の有効期限が順次終了 |
| 2026年7月31日まで | 期限切れ保険証でも資格確認できれば通常負担とする暫定対応 |
| 2026年8月1日以降 | 原則としてマイナ保険証か資格確認書を提示 |
厚生労働省は、暫定的な取り扱いを2026年7月31日で終了し、医療機関や薬局ではマイナ保険証または資格確認書を提示するよう呼びかけています。
2026年8月から病院で使えるもの

2026年8月1日以降、通常の1~3割負担で受診するために、基本的に使えるのは次の2種類です。
- 健康保険証利用登録をしたマイナンバーカード
- 加入している健康保険から発行された資格確認書
受診に使える書類の違い
| 持参するもの | 単体で受診できるか | 主な対象者 |
|---|---|---|
| マイナ保険証 | できる | 利用登録済みの人 |
| スマートフォンのマイナ保険証 | 対応施設ではできる | 事前設定済みの人 |
| 資格確認書 | できる | マイナ保険証を持っていない人など |
| 資格情報のお知らせ | 原則できない | マイナ保険証を持つ人への補助書類 |
| 期限切れ健康保険証 | できない | 暫定措置終了後は無効 |
| マイナンバーカードだけ | 登録状況による | 健康保険証利用登録が必要 |
厚生労働省によると、「資格情報のお知らせ」はマイナ保険証を持っている人に交付される補助書類です。
カードリーダーの不具合などが起きた際にマイナンバーカードと一緒に提示するもので、単体では保険診療を受けられません。
資格確認書と資格情報のお知らせを見分ける方法
書類の名称を確認してください。
「資格確認書」と書かれている場合
その書類だけで受診できます。
「資格情報のお知らせ」と書かれている場合
原則として単体では受診できません。マイナンバーカードと組み合わせて使用します。
資格確認書は、保険者によって大きさ、色、形、紙か電子かなどが異なります。見た目だけで判断せず、書類上部などに記載された正式名称を確認することが重要です。
10割負担を避ける5つのポイント
ポイント1:古い健康保険証を受診用として使わない
2026年8月1日以降は、期限切れの健康保険証だけを持参しても、有効な資格確認書類としては扱われません。
医療機関側でその場で保険資格を確認できなければ、健康保険証を忘れた場合と同様に、いったん医療費の全額を求められる可能性があります。
財布や診察券入れに古い健康保険証を残している人は、受診前にマイナ保険証または資格確認書へ入れ替えておきましょう。
ポイント2:マイナ保険証の登録状況を確認する
マイナンバーカードを持っているだけでは、必ずしもマイナ保険証として使えるとは限りません。健康保険証利用登録が必要です。
利用登録は次の方法で行えます。
・医療機関や薬局の顔認証付きカードリーダー
・マイナポータル
・セブン銀行ATM
医療機関のカードリーダーでは、未登録の場合でも受付時に利用登録できることがあります。
ポイント3:電子証明書の有効期限を確認する
マイナンバーカードには、カード本体と電子証明書の2つの有効期限があります。
| 種類 | 原則的な有効期間 |
|---|---|
| マイナンバーカード本体 | 発行から10回目の誕生日まで |
| 未成年者のカード本体 | 発行から5回目の誕生日まで |
| 電子証明書 | 年齢にかかわらず発行から5回目の誕生日まで |
電子証明書の有効期限が切れた場合でも、有効期限満了日が属する月の末日から3か月間は、マイナ保険証として利用できます。
ただし、この期間に確認できるのは保険資格情報に限られ、診療情報や薬剤情報などを医療機関へ提供する機能は利用できません。
健康保険証以外の電子証明書機能も利用できないため、早めに更新しましょう。
電子証明書の有効期限は、マイナンバーカードの券面やマイナポータルで確認できます。
更新手続きは、有効期限の3か月前から市区町村の窓口で行えます。
ポイント4:補助書類を一緒に持っておく
マイナ保険証を持っている人は、「資格情報のお知らせ」の紙を一緒に保管しておくと安心です。
医療機関のカードリーダーやネットワークに不具合が起きた場合、次の組み合わせで資格確認ができます。
・マイナンバーカード+マイナポータルの資格情報画面
・マイナンバーカード+紙の資格情報のお知らせ
資格情報のお知らせは、スマートフォンで撮影した画像などではなく、紙に印字されたものを提示する必要があります。
マイナポータルの資格情報については、ダウンロードしたPDFを利用できる場合があります。
ポイント5:資格確認書が必要な人は到着を確認する
マイナンバーカードを持っていない人や、健康保険証利用登録をしていない人には、当分の間、資格確認書が無償で申請によらず交付されます。
次のような人も資格確認書の対象となる場合があります。
資格確認書の発送時期や申請方法は、健康保険組合、協会けんぽ、市区町村国保、後期高齢者医療広域連合などによって異なります。
届いていない場合は、加入している医療保険者へ確認してください。
マイナ保険証が読み取れない場合も10割負担とは限らない

マイナンバーカードを持参しているのに、カードリーダーの故障、通信障害、ICチップの破損などで資格確認できないことがあります。
この場合、マイナ保険証を持ってきていないケースとは扱いが異なります。
厚生労働省は、読み取り不能時の代替方法として、次の対応を案内しています。
方法1:マイナポータルの資格情報を見せる
スマートフォンからマイナポータルへログインし、健康保険の資格情報画面を実物のマイナンバーカードと一緒に提示します。
あらかじめダウンロードした資格情報のPDFも利用できます。
なお、スマートフォン自体をマイナ保険証として利用している場合は、実物のマイナンバーカードを提示する必要はありません。
方法2:資格情報のお知らせを一緒に提示する
マイナンバーカードと紙の資格情報のお知らせをセットで提示します。
資格情報のお知らせだけを受付へ出すのではなく、マイナンバーカードも一緒に提示することが重要です。
方法3:初診の場合は被保険者資格申立書を記入する
初めて受診する医療機関や薬局でマイナ保険証による資格確認ができず、マイナポータルの資格情報画面や資格情報のお知らせも提示できない場合は、「被保険者資格申立書」を記入して保険資格を申し立てる方法があります。
申立書には、氏名、生年月日、加入している健康保険など、資格確認に必要な情報を記入します。
医療機関や薬局での確認状況によって対応が異なる場合があるため、受付で「マイナ保険証を読み取れない場合の資格確認方法を教えてください」と伝えましょう。
「カードを忘れた場合」と「読み取れない場合」は違う
| 状況 | 主な対応 |
|---|---|
| マイナ保険証を持参したが読み取れない | マイナンバーカードとマイナポータルの資格情報画面、 または資格情報のお知らせを提示。 初診で確認できない場合は被保険者資格申立書を記入 |
| マイナ保険証も資格確認書も忘れた | その場で確認できなければ一時的に10割負担の可能性 |
| 期限切れ保険証だけを持参した | 2026年8月以降は保険証忘れと同様の扱いが基本 |
| 資格情報のお知らせだけを持参した | 単体では原則受診できない |
| 有効な資格確認書を持参した | 通常の自己負担割合で受診可能 |
カードリーダーの不具合で資格確認できない場合と、必要な書類を自宅に忘れた場合を混同しないことが大切です。
マイナ保険証を持参しているのに読み取れなかった場合は、直ちに全額負担と判断せず、ほかの資格確認方法を受付に確認してください。
10割負担になった医療費は払い戻される可能性がある
期限切れ保険証しか持っていなかった場合や、保険資格をその場で確認できなかった場合には、いったん医療費の全額を支払うことがあります。
ただし、公的医療保険の加入資格が受診日に有効だったことを後から確認できれば、自己負担分を除いた7~9割について、医療保険者から払い戻しを受けられる場合があります。
払い戻しの一般的な流れ
- 医療機関で医療費を全額支払う
- 領収書と診療内容が分かる書類を受け取る
- 加入している健康保険へ連絡する
- 療養費などの申請書を提出する
- 審査後、保険給付分が払い戻される
医療機関によっては、有効な資格確認書などを後日持参することで、窓口で差額精算してもらえる場合もあります。
ただし、払い戻し方法、必要書類、申請期限は保険者や医療機関によって異なります。
領収書は捨てずに保管し、できるだけ早く確認してください。
状況別に確認したい受診方法
高齢の家族がいる場合
マイナンバーカードの操作が難しい高齢者や、障害などによりカードリーダーの利用が困難な人は、加入している医療保険者へ申請することで資格確認書を取得できる場合があります。
家族、法定代理人、介助者などによる代理申請も可能です。
後期高齢者医療制度の加入者には、2026年7月末まで有効な資格確認書が交付されています。
2026年8月以降の資格確認書の交付対象や発送時期などについては、加入している後期高齢者医療広域連合や市区町村からの案内をご確認ください。
子どもがカードリーダーを操作できない場合
子ども本人が顔認証付きカードリーダーを操作することが難しい場合は、保護者がカードを置き、暗証番号を入力して本人確認できます。
医療機関の職員が子どもの顔とカードの写真を目視で確認する方法もあります。
転職や退職直後の場合
転職、退職、扶養の変更直後は、新しい健康保険への加入情報がシステムに反映されていないことがあります。
マイナ保険証を持っていても「資格情報なし」などと表示される可能性があるため、勤務先や新しい保険者への加入手続きが完了しているか確認してください。
マイナンバーカードを紛失・更新している場合
カードを紛失した人や更新手続き中の人は、加入する医療保険者に申請することで資格確認書を取得できる場合があります。
受診予定がある場合は、カードが再発行されるまで待つのではなく、早めに保険者へ相談しましょう。
スマートフォンを使う場合
事前にマイナンバーカードをスマートフォンへ追加しておけば、対応機器が整った医療機関や薬局でスマートフォンをマイナ保険証として利用できます。
ただし、すべての医療機関がスマートフォン受付に対応しているわけではありません。
受診前に対応状況を確認することが必要です。

受診前のチェックリスト
病院や薬局へ行く前に、次の項目を確認しましょう。
□ 期限切れの健康保険証ではなく、マイナ保険証か資格確認書を準備した
□ 資格確認書と資格情報のお知らせを間違えていない
□ マイナンバーカードの健康保険証利用登録を確認した
□ マイナンバーカードと電子証明書の有効期限を確認した
□ 資格情報のお知らせの紙を保管している
□ マイナポータルで資格情報を確認できる
□ 転職や扶養変更の手続きが完了している
□ 高齢の家族に必要な資格確認書が届いている
□ スマートフォンを使う場合は対応医療機関か確認した
マイナ保険証に関するよくある質問
Q.マイナンバーカードを持っていないと病院に行けませんか?
いいえ。マイナ保険証を持っていない人には、当分の間、資格確認書が無償で交付されます。
資格確認書を提示すれば、これまでと同じ自己負担割合で受診できます。
Q.資格情報のお知らせだけで受診できますか?
原則として単体では受診できません。カードリーダーなどで資格確認できない場合に、マイナンバーカードと一緒に提示する書類です。
Q.カードリーダーでエラーが出ると10割負担ですか?
必ずしも10割負担にはなりません。
実物のマイナンバーカードとマイナポータルの資格情報画面、または紙の資格情報のお知らせを一緒に提示することで、資格確認できる場合があります。
初診でこれらを提示できない場合は、被保険者資格申立書を記入する方法があります。
Q.暗証番号を忘れてもマイナ保険証は使えますか?
顔認証や医療機関職員による目視確認が可能なため、暗証番号がロックされていても健康保険証として利用できる場合があります。
Q.電子証明書の期限が切れたらすぐ使えなくなりますか?
電子証明書の有効期限が切れた場合でも、有効期限満了日が属する月の末日から3か月間は、マイナ保険証として利用できます。
ただし、この期間に確認できるのは保険資格情報に限られ、診療情報や薬剤情報などを医療機関へ提供する機能は利用できません。
健康保険証以外の電子証明書機能も利用できないため、速やかに更新してください。
Q.10割負担したお金は必ず返ってきますか?
受診日に公的医療保険の資格が有効だったことを確認できれば、保険給付分の払い戻しを受けられる可能性があります。
ただし、審査や申請が必要であり、具体的な方法は加入している保険者へ確認してください。
まとめ
マイナ保険証への移行に伴い、期限切れとなった従来の健康保険証を持参した場合でも通常の自己負担割合で受診できる暫定措置は、2026年7月31日で終了します。
2026年8月1日以降は、原則としてマイナ保険証または資格確認書を医療機関や薬局の受付で提示する必要があります。
特に注意したいのが、「資格確認書」と「資格情報のお知らせ」の違いです。
資格確認書は単体で受診に使えますが、資格情報のお知らせはマイナ保険証の読み取りができなかった場合などに、マイナンバーカードと組み合わせて使う補助書類です。
名称が似ているため、受診前に手元の書類を確認しておきましょう。
また、マイナ保険証をカードリーダーで読み取れなかったからといって、必ず10割負担になるわけではありません。
実物のマイナンバーカードとマイナポータルの資格情報画面、または紙の資格情報のお知らせを一緒に提示することで、資格確認できる場合があります。
初診でこれらを提示できない場合は、被保険者資格申立書を記入する方法があります。
一方、マイナ保険証も資格確認書も持参せず、その場で保険資格を確認できなければ、一時的に医療費の全額を求められる可能性があります。
後から保険資格を確認できれば払い戻しを受けられる場合がありますが、申請や書類の提出が必要です。
余計な手間や一時的な出費を避けるには、受診前の準備が最も重要です。
古い健康保険証を入れたままにしていないか、マイナ保険証の利用登録は済んでいるか、電子証明書の期限は切れていないか、資格確認書が届いているかを、家族の分も含めて確認してみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
出典・参考資料
厚生労働省「資格確認方法について」
厚生労働省「資格確認書について」
厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用についてよくある質問」
厚生労働省「医療機関・薬局の受付で使えるもの」
Yahoo!ニュース「マイナ保険証、7月末で暫定措置終了 10割負担回避のポイント」
(各ページは2026年7月16日確認)
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