自転車に乗っているとき、こんな悩みはありませんか？
「スマホを見ながら走ってる人をよく見るけど、罰則ってあるの？」
「自転車の違反って警察に注意されるだけじゃないの？」
「青切符ってよく聞くけど、自転車にも関係あるの？」
実はこれらの悩み、すべて2026年の法改正で大きく変わります。
今まで、自転車の違反といえば「注意」で済んでいたことが多かったですよね。
ところが、2026年4月からは、自転車でも反則金が科される「青切符制度」が導入される予定です。
自転車は車と違って免許が不要ですが、交通ルールを守らなければ重大な事故につながることも。
そんな背景から、警察庁が「113の違反項目」に対し、具体的な罰金額を定めて青切符制度を適用する方針を固めました。
この記事では、青切符とは何か、どんな違反が対象なのか、そして自転車に乗る私たちがどう気をつけるべきかを、やさしい言葉でわかりやすく解説していきます。
この記事を読むことで、
- 青切符で何が変わるのか
- 対象となる違反と反則金の内容
- 自転車利用者が注意すべきポイント がしっかり理解できるようになります。
自転車を安全に、そしてトラブルなく使い続けたい人にとって、大切な情報が満載です。
自転車に「青切符」が導入される背景とは？
青切符とは？もともとは自動車用の制度
青切符ってどういうもの？
青切符は、軽い交通違反に対して支払う「反則金」の通知書のことです。
これを受け取って決められた金額を支払えば、裁判にかけられたり、前科がつくことはありません。
もともとは車やバイクに使われていた制度
この制度はもともと車やバイクなど、免許が必要な乗り物に使われていました。
免許の点数制度ともつながっていて、交通ルール違反を管理するしくみのひとつです。
自転車にも適用される理由
これまで自転車の違反には、警察官が注意するだけという対応が多くありました。
ですが、悪質な運転や事故の増加を受けて、自転車も「軽車両」として扱う必要があるという判断になりました。
自転車もルールを守る時代へ
これからは、車だけでなく自転車にも「青切符」が出されるようになります。
安全のために、誰でもルールを守ることが求められる時代です。
自転車の事故が増加している現状
自転車の事故が減らない理由
自転車に関係する事故はなかなか減っていません。
信号無視、スマホを見ながら運転、逆走など、ルールを守らない運転が原因です。
実際に起きていること
警察庁の発表によると、2023年には約7万件の自転車事故が発生しました。
死亡事故では、約8割のケースで自転車側に違反がありました。
どんな人が事故を起こしている？
事故を起こしているのは、子どもや高齢者だけでなく、通勤・通学中の大人も含まれています。
日常的に自転車を使う人すべてが関係している問題です。
だからこそ青切符が必要になる
事故が多いという現実があるからこそ、反則金制度を導入して、安全運転を促す必要があるのです。
なぜ今、自転車にも反則金が導入されるのか？
注意だけでは不十分になってきた
今までの自転車の違反は「注意だけ」で終わることが多く、同じような違反がくり返されていました。これでは事故を防ぎきれないのが現状です。
青切符で変わる取り締まりのかたち
青切符が導入されれば、軽い違反に対してその場で反則金を科すことができます。
これにより、警察も素早く対応でき、違反者にもその場でルールを意識させられます。
実際の違反と金額の例
たとえば「スマホを見ながらの運転」には1万2千円、「信号無視」や「逆走」には6千円の反則金がかかります。
こうした金額が設定されることで、ルールを守る人が増えると期待されています。
自転車も「交通の一部」として扱われる
今後は、自転車も立派な車両として、ルールを守ることが当然とされていきます。
青切符制度は、その大きな一歩です。
青切符の対象になる違反行為とは？
スマホのながら運転（1万2千円）
ながら運転が最も重い理由
スマートフォンを見ながらの運転は、まわりが見えにくくなるため、とても危険です。
とっさの対応もできず、事故につながることが多いです。
なぜ高額な反則金なのか？
警察庁は、特に重大な事故に直結しやすいとして、スマホ使用にはもっとも高い「1万2千円」の反則金を設定しました。
車でも同じように危険視されている行為です。
具体的にどんな行為が対象？
・スマホを片手で持って通話
・LINEなどの操作をしながら運転
・スマホ画面を注視して前を見ない状態
自転車でも「ながら」は許されない
歩きスマホが危ないように、自転車のながら運転も命に関わる問題です。
だからこそ、高額な反則金で強い注意を促しています。
信号無視や逆走（6千円）
交通ルールの基本を無視する危険行為
信号無視や、車道を逆向きに走る「逆走」は、交通の流れを乱し、とても危ない行為です。
とくに交差点では大事故の原因になります。
なぜここも厳しく取り締まるのか？
信号無視や逆走による事故は、車や歩行者との衝突になりやすく、命に関わる重大な問題です。
そのため、反則金は「6千円」と高めに設定されています。
こんな行為に注意
・信号が赤なのにそのまま進む
・進行方向と逆の車線を走る
・歩行者信号が青だからといって横断する（車道走行中は違反）
自転車も「車両」として信号を守るべき
自転車もクルマの仲間です。信号の意味を理解して、安全な運転を心がけることが求められています。
傘差し運転やイヤホン（5千円）
「ながら行動」はすべて危険
片手で傘を差していたり、音楽を聴きながら運転していると、操作が遅れたり、音が聞こえず危険を察知できなかったりします。
なぜこの行為も禁止されている？
これらの行動は、自転車の操作が不安定になる上、車のクラクションや歩行者の声が聞こえなくなるため、事故のリスクがとても高くなります。
よくある違反行動
・傘を差して片手運転
・イヤホンで音楽を聴きながら走行
・音漏れでまわりが聞こえない状態
安全のため、両手と耳を自由に
自転車の操作には両手が必要です。そして耳から入る情報も、事故を防ぐ大切な手がかりです。
2人乗りや並走（3千円）
一見軽そうでも大きなリスク
「ちょっとなら…」と思われがちな2人乗りや並んで走る行為も、バランスを崩しやすく、周囲との接触事故につながりやすいです。
なぜ罰金が必要なの？
このような行動は、特に狭い道や通学路での接触事故を招きやすく、注意していても不意に事故が起きる原因になります。
そのため「3千円」の反則金が設定されています。
注意したい行為
・友達と並んでしゃべりながら走る
・小さな子を自転車のかごに乗せる
・1人用の自転車に2人で乗る
軽い気持ちが事故のもと
ちょっとしたルール違反でも、大きな事故につながることがあります。
安全のために「1人で・まっすぐ・静かに」が基本です。
対象は16歳以上、113の違反項目
青切符の対象となる年齢とは？
今回の制度で青切符が出されるのは「16歳以上」の人が対象です。
これは、原付き免許が取れる年齢と同じで、交通ルールを理解できるとされているためです。
違反項目はなんと113種類
対象になる違反行為は113種類あります。
その中でも、特に危険性の高いものに重点的に反則金が科されます。
| 違反項目 | 罰則内容 | 反則金額（円） |
|---|---|---|
| 携帯電話を使用しながらの運転 （ながらスマホ） | 6ヶ月以下の懲役または 10万円以下の罰金 | 12,000 |
| 信号無視 | 3ヶ月以下の懲役または 5万円以下の罰金 | 6,000 |
| 通行区分違反（逆走・歩道通行等） | 3ヶ月以下の懲役または 5万円以下の罰金 | 6,000 |
| 遮断踏切への立ち入り | 3ヶ月以下の懲役または 5万円以下の罰金 | 7,000 |
| 一時不停止 | 3ヶ月以下の懲役または 5万円以下の罰金 | 5,000 |
| 制動装置不良（ブレーキ等） | 5万円以下の罰金 | 5,000 |
| 無灯火走行 | 5万円以下の罰金 | 5,000 |
| 傘差し運転 | 5万円以下の罰金 | 5,000 |
| イヤホン・ヘッドフォンの使用 | 5万円以下の罰金 | 5,000 |
| 公安委員会遵守事項違反 | 5万円以下の罰金 | 5,000 |
| 並進（並んで走ること） | 2万円以下の罰金または科料 | 3,000 |
| 2人乗り | 2万円以下の罰金または科料 | 3,000 |
| 歩道における通行方法違反 | 2万円以下の罰金または科料 | 5,000 |
たとえばこんな違反がある
・無灯火での夜間走行
・一時停止無視
・ブレーキが壊れている自転車に乗る
・車道の右側を走る
自転車も「自由」ではなく「責任ある乗り物」へ
自転車は自由に動ける乗り物ですが、同時に「ルールを守る責任」も伴います。
青切符の制度は、それをわかりやすく示してくれるものです。
青切符と赤切符の違いとは？
青切符は反則金で刑事罰なし
軽い違反は「青切符」で済む
青切符とは、比較的軽い交通違反に対して、裁判をせずにお金（反則金）だけで終わらせるための仕組みです。
自転車においても、ルール違反をしたけれど事故にはつながらなかった場合などが対象になります。
なぜこの制度があるのか？
すべての違反に裁判をしていたら時間もお金もかかってしまいます。
そこで、簡単に処理できるように「反則金制度」ができました。
違反者はお金を払うだけで、刑事処分（裁判や前科）を受ける必要がなくなります。
どんなときに青切符？
・信号無視をしても事故は起きなかった
・スマホを見ながら運転していたが、警告に従わなかった
・歩道の通行方法を間違えたが、特に被害はなかった
反則金だけで済むのは「今のうち」
「青切符」は、注意を無視したり、違反をくり返すような人に与えられる最後のチャンスでもあります。
これで済ませたいなら、違反をくり返さないことが大切です。
赤切符は重大違反で前科も
重い違反には「赤切符」が交付される
赤切符とは、重大な交通違反に対して交付されるものです。
これは反則金では済まず、「刑事事件」として正式に処分されることになります。
どうして赤切符は重いのか？
信号無視や酒気帯び運転など、他人に危険を及ぼす行為は見過ごせません。
特に事故を起こした場合は、裁判で罰を決める必要があります。
だからこそ、赤切符が使われるのです。
赤切符の対象になる違反例
・酒酔い運転や酒気帯び運転
・人をけがさせるような危険な走り方
・警察官の制止を無視して逃走した場合
前科がつくこともある
赤切符を受けて裁判になり、有罪になると前科がつきます。
これは将来の就職や海外渡航などにも影響する大きな問題です。
納付しないとどうなる？
青切符を無視するとどうなるか？
「青切符だから大丈夫」と思って支払いを怠ると、事態は大きく変わります。
反則金を納めなければ、その後は正式な刑事手続きに進むことになります。
実際に起こること
・検察に送られる（送検）
・簡易裁判所に出頭するよう呼び出される
・その場で罰金を払えないと前科がつく場合もある
面倒を避けるには？
「反則金の納付」は、青切符で済ませるための大事なルールです。
支払わなければ、自分で裁判所に行くことになり、手間も不安も増えてしまいます。
納付することで終わらせる
青切符を受け取ったら、きちんと期日までに納めることが、自分の時間や安心を守る一番の方法です。
青切符制度で変わる生活と注意点
高校生・通学時も対象に
通学中でも「違反」として扱われる
青切符制度では、16歳以上の自転車利用者がすべて対象になります。
つまり、高校生も例外ではありません。
通学中でも違反すれば、反則金が科されます。
ルールは年齢に関係なく
これまで「学生だから注意だけで済んだ」というケースも多くありましたが、今後はそうはいきません。
自転車に乗るなら、大人と同じルールが求められます。
よくある通学中の違反
・スマホを見ながらの運転
・信号無視や横断歩道以外の横断
・並んで話しながら走る
若い世代こそ意識改革を
青切符の導入は、高校生など若い世代に「自転車も車と同じ」という意識を持ってもらうきっかけになります。
点数はつく？免許への影響は？
結論：自転車の違反では点数はつきません
青切符を切られても、自動車やバイクのように「免許の点数」がつくことはありません。
なぜなら、自転車には運転免許が必要ないからです。
免許と自転車は別物として扱われる
クルマと違って、自転車の違反は点数制度の対象外です。そのため、青切符を受け取っても、運転免許の停止や取り消しになることはありません。
ただし、反則金はしっかり支払う必要がある
点数はつかないとしても、反則金の納付を怠れば刑事手続きへ進み、裁判所から呼び出されることになります。
「免許があるから自転車は安心」は間違い
車の免許がある人でも、自転車での違反はきちんと取り締まられます。
「自転車だから大丈夫」と思い込まず、ルールを守ることが大切です。
自転車保険との関係
自転車事故は高額賠償になることも
自転車で人にけがをさせてしまった場合、数百万円〜数千万円の賠償を命じられることもあります。
青切符制度とは別に「損害賠償」が発生するのです。
自転車保険で守れるもの
自転車保険は、自転車で事故を起こしたときに、相手への賠償や自分のけがの治療費をカバーするためのものです。
特に家族で加入しておくと安心です。
自治体によっては加入が義務のところも
一部の地域では、自転車保険への加入が義務化されています。
青切符とは別の話ですが、安全と責任の面から考えても保険は重要です。
反則金と保険はセットで意識しよう
青切符制度で罰金を払っても、それとは別に賠償責任が発生する可能性があります。
事故が起きたときのために、保険はしっかり確認しておきましょう。
講習義務が発生するケース
危険行為をくり返すと講習が必要に
自転車で危険な違反をくり返した場合、「自転車運転者講習」の受講が義務づけられることがあります。
対象は3年以内に2回以上の違反をした人です。
どんな違反で対象になるのか？
・信号無視や酒気帯び運転
・ながらスマホ
・一時停止無視など、重大事故につながる違反
講習の内容とは？
3時間の講習を受け、交通ルールや事故の責任について学びます。
講習費用（約5700円）も自己負担です。
無視するとどうなる？
講習の命令を無視した場合、5万円以下の罰金が科される可能性があります。
「注意で終わり」の時代は終わりました。
安全な自転車の乗り方とは？
警察庁が推奨する「自転車安全利用五則」
自転車の基本ルールを知っていますか？
警察庁が定めた「自転車安全利用五則」は、すべての自転車利用者が守るべき基本的なルールです。これを守ることで、事故を防ぎ、安全に走行できます。
これが「自転車安全利用五則」
- 自転車は車道が原則、左側を通行
- 歩道は例外、歩行者を優先
- 夜間はライトを点灯
- 飲酒運転は禁止
- ヘルメットを着用
どのルールも理由があります
たとえば、「車道の左側を通行」は、他の車両との接触を防ぐため。「歩道では歩行者が優先」なのは、ぶつかりやすい事故を減らすためです。
五則を守れば事故はグッと減る
この五則は、すべて実際の事故の原因から作られたルールです。守るだけで、多くのトラブルを防ぐことができます。
歩道通行や逆走を防ぐポイント
歩道は「通ってもいい場所」ではない
歩道は本来、歩行者のための道です。自転車が通っていいのは「標識があるとき」や「子ども・高齢者・けが人」などの特例時だけです。
自転車で逆走するとどうなる？
車道を右側（逆走）すると、車と正面からぶつかる危険があります。これはとても重大な違反で、命にかかわる事故にもつながります。
正しい通行方法のポイント
・自転車は車道の左端を走る
・歩道を通るときは徐行し、歩行者を優先する
・歩道では車道側をゆっくり走る
・危ないと感じたら、自転車を降りて押して歩く
ルールを知るだけで安心が変わる
自転車は自由な乗り物ですが、「どこをどう走るか」を知ることで、自分もまわりも守ることができます。
ヘルメットとライトの重要性
命を守る装備、それがヘルメット
自転車事故の死亡原因の多くは「頭部への衝撃」です。ヘルメットをかぶっていれば、そのリスクを大きく下げることができます。
夜間はライトが命綱
暗くなると、自分が見えなくなるだけでなく、他の車や人からも見えなくなります。ライトをつけることは「自分の存在を知らせる」ための大切な手段です。
必ず備えておきたいポイント
・ヘルメットは自分の頭にフィットするものを
・ライトは電池残量を定期的にチェック
・後ろにも反射材やライトがあるとより安全
安全のために、日頃から備えよう
事故はいつ起こるかわかりません。ヘルメットとライトは「使うこと」が大事です。
大切な人のためにも、今日から意識を変えてみましょう。
まとめ
自転車は、毎日の生活に欠かせない便利な乗り物です。
通学や通勤、買い物や気分転換にも使われ、年齢を問わず多くの人が利用しています。
でも、便利な反面、ルールを守らないと大きな事故につながる危険もあります。
「ちょっとスマホを見ただけ」
「急いでいたから信号を無視した」
「みんなやっているから大丈夫だと思った」
そんな軽い気持ちが、命に関わる事故のきっかけになることもあります。
2026年からは、そんな自転車の違反に対しても「青切符」が導入されます。
これは、ただの罰ではなく、「もう一度ルールを見直してね」という、社会からの大切なメッセージです。
反則金を払うだけで済む場合もありますが、繰り返せば講習や裁判になることもあります。
自転車だからといって安心せず、ひとりひとりが責任を持つことが求められています。
ヘルメットをかぶる。ライトをつける。歩道では歩行者を優先する。
当たり前のことですが、それがあなたや誰かの命を守る行動になります。
このブログを読んで、「知らなかった」から「気をつけよう」へ、少しでも気持ちが変わったならとても嬉しいです。
あなたの安全が、まわりの人の安全にもつながっています。
今日から、自転車の乗り方を少しだけ見直してみませんか？
コメント