秋田県産「あきたこまち」からカドミウムが検出されました。
しかも、国の基準を大きく超える数値だったのです。
「安全だと思っていたお米が…」
そう感じた方も多いのではないでしょうか。
今回の出来事はなぜ起きたのか？
そして私たちは、どんなお米を選べば安心なのか？
その答えのひとつが、新たに登場した「あきたこまちR」。
聞きなれないこの名前、どんな特徴があるのでしょう？
この記事では、カドミウム問題の原因から対策まで。
さらに、新品種「あきたこまちR」の意味と役割を。
はじめての方にもわかりやすくご紹介していきます。
食の安全を考えるヒントとして、ぜひ最後までお読みください。
カドミウムってなに？体にどんな影響があるの？
カドミウムとは？
自然界にある金属
土や水にふくまれる金属の一種です。
体に悪い理由
腎臓や骨にダメージを与える性質があります。
とくに心配なこと
少しずつ体にたまり、長年かけて健康被害を起こします。
健康への影響
主な症状
腎機能の低下、骨のもろさ、痛みなど。
「イタイイタイ病」
日本で実際に起きた公害病の一例です。
基準値の理由
長期間の摂取を想定し「0.4ppm以下」に設定されています。
食品で注意すべき理由
毎日口にするものだから
米などの主食は、少量でも積み重なるリスクがあります。
安全基準をこえると
体内に蓄積され、将来的な健康リスクにつながります。
- 自然界にもある金属だけど、取りすぎると体に悪い
- 慢性的に摂取すると「イタイイタイ病」の原因にも
- 食品衛生法では「0.4ppm以下」と基準がある
お米にカドミウムが入る原因とは？
【土の中にカドミウムがある】
自然にふくまれている
一部の地域では、もともと土壌にカドミウムが多くふくまれています。
過去の鉱山や工場の影響も
昔の鉱山や工場から出たカドミウムが、土に残っていることもあります。
【稲がカドミウムを吸ってしまう】
根から吸収される
稲は成長の過程で、土の中の成分を吸い上げます。
そのときに、カドミウムもいっしょに吸収することがあります。
特に注意が必要な時期
出穂（しゅっすい）前後の3週間が吸収しやすい時期です。
【水管理がカギ】
たん水で吸収を防ぐ
田んぼに水をためることで、カドミウムの吸収を抑えることができます。
水不足がリスクに
水が足りないと、たん水管理ができず吸収が進んでしまいます。
【今回の秋田のケース】
水不足と管理の問題
水の管理が行き届かなかったことが、原因のひとつとされています。
検査の不備もあった
JAなどのカドミウム検査を行っていなかったことも問題となりました。
- 地中のカドミウムを稲が吸い上げる
- 土壌の状態や水管理がカギ
- 水不足が続くと吸収しやすくなる
秋田県で発覚したカドミウム超過のあきたこまち
【どこで起きたの？】
秋田県小坂町の田んぼ
農事組合法人「熊谷農進」が生産した田んぼが対象でした。
カドミウムの多い地域
小坂町は、もともと土壌中のカドミウムが多い地域とされています。
【どんな数値だったの？】
最大で0.87ppmを検出
国の基準（0.4ppm）を大きく上回る数値でした。
88トンのうち約86トンが出荷
神奈川・宮城・秋田の業者などへ流通していました。
【どうして検出されたの？】
きっかけは業者の自主検査
秋田県内の業者が独自に検査を行い、基準超過が判明しました。
県が立ち入り調査へ
その後、県と農水省が合同で調査と出荷停止の指導を行いました。
【原因とされていること】
水管理の不足
たん水管理が不十分だったことが、吸収を増やす原因となりました。
検査の未実施
JAなどのカドミウム検査も実施しておらず、見落とされた可能性があります。
【健康被害は？】
今のところ報告なし
秋田県は「今回の量では健康被害の心配は低い」としています。
でも不安の声も
市場に流通していたため、消費者への影響を心配する声も出ています。
「あきたこまちR」とは？
【名前の意味】
「R」はリニューアルの“R”
改良・再設計（リデザイン）された新しいあきたこまちです。
従来品種との違いを明確に
区別のため、あえて“R”をつけて名前を分けています。
【どうして作られたの？】
カドミウム対策のため
カドミウムを吸収しにくい特性を持たせるために開発されました。
食の安全を守る目的
信頼される秋田米を目指して、品種改良が進められました。
【どんな特徴がある？】
味や見た目は従来とほぼ同じ
これまでのあきたこまちと変わらないおいしさと見た目です。
吸収しにくい体質の稲
根からカドミウムを吸いにくい性質を持っています。
【どこで作られているの？】
2025年から秋田県で本格導入
まずはカドミウム対策が必要な地域を中心に作付けが始まります。
少しずつ生産拡大予定
今後は広く普及していく見通しです。
【遺伝子組み換えなの？】
遺伝子組み換えではありません
あくまで自然交配による品種改良ですので、安心して食べられます。
安全性の審査もクリア
各種検査や基準もクリアして流通しています。
あきたこまちRはいつから？どこで？
【いつから作られているの？】
2025年から本格スタート
秋田県内で2025年（令和7年）から本格的に作付けが始まりました。
試験栽培はすでに実施済み
2024年までに複数地域で試験栽培が行われ、安全性も確認されています。
【どこで栽培されるの？】
カドミウムが出やすい地域から導入
まずは土壌にリスクのある地域を優先して導入されます。
秋田県全域に広がる見込み
数年をかけて、秋田県全体での普及を目指しています。
【どうやって見分けるの？】
パッケージに「R」の表示
「あきたこまちR」と明記されている商品には、“R”の表記がついています。
見た目では判別がむずかしい
お米の見た目や味だけでは、従来品との違いはほとんどわかりません。
【買える場所は？】
今後、徐々にスーパーにも登場予定
量産が進むにつれ、一般のスーパーや通販でも見かける機会が増えます。
主に秋田県産表示のお米に注目
秋田県産のお米の中でも、「R」の表示があるか確認してみましょう。
あきたこまちRの危険性や問題点はある？
【体に悪くないの？】
危険性はとくに報告されていません
現在のところ、健康への悪影響は確認されていません。
自然交配による改良品種です
遺伝子組み換えではなく、従来の育種方法で作られています。
【消費者の不安は？】
名前に“R”がついていて不安という声も
「何か違うの？」「本当に安全？」と心配する人もいます。
情報がまだ少ないことが原因
新しい品種なので、詳しい説明が不足しているのが課題です。
【味や品質は大丈夫？】
従来のあきたこまちとほぼ同じ
食味・見た目ともに大きな違いはありません。
栽培環境によって差が出ることも
水の管理や土の状態によって、味に影響する場合もあります。
【課題とされている点】
表示ルールがあいまい
「R」がついていても、店頭では分かりにくいケースもあります。
生産者への周知が必要
新しい品種の扱いに慣れていない農家もあり、栽培方法の徹底が求められます。
まとめ
今回のカドミウム検出は、私たちの食の安全を考えるきっかけになりました。
お米は毎日食べるものだからこそ、安心して選びたいですよね。
自然にふくまれる金属でも、管理や検査がしっかりしていないと思わぬトラブルにつながることもあります。
そんな中で登場した「あきたこまちR」は、安全に配慮された新しい選択肢として注目されています。
まだ始まったばかりの取り組みですが、少しずつ広がって、安心なお米づくりにつながっていくことでしょう。
これからも、どんなお米を選ぶか。
どんな情報があるかを知っておくことが、とても大切です。
あきたこまちRを見かけたときは、ぜひ今回の内容を思い出してみてくださいね。
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